西加奈子

​ 西加奈子『うつくしい人』

​マイナス状態の主人公が何かを通してプラスに転じる,西さんのいつも通りの作品.ただ,主人公である30過ぎの女は,小説冒頭から鬱々としていて重い.自意識過剰と場の空気を読むことで,心がもうパンパンに張り詰めている.正直,「うわっ,めんどくさっ」…

西加奈子『ふる』

いつもどおりの西さんらしい小説.全体を通したフィクション的な要素によって,主人公の内面が鮮明になり,また変化の起点となる.こういう内面を書けるというが,小説の長所だろう.読んだあとに元気が出るね. ふる (河出文庫) 作者: 西加奈子 出版社/メー…

西加奈子『漁港の肉子ちゃん』

港町に移り住んでいる,肉子ちゃん(38歳,ツッコミどころ満載,鈍感でダサい)とキクりん(可愛い小学生,気が付いてしまう子)の対照的な2人.キクりんから見る肉子ちゃんや町の人々は,なんだかとても魅力的で,キクりんは(的確なツッコミを入れながらも…

西加奈子『円卓』

公団住宅に家族8人で住む渦原家.その末っ子「こっこ」は孤独に憧れる小学3年生.平々凡々な家族は「こっこ」にとっては不満の種.友人の吃音も,眼帯も,不整脈も「こっこ」にとっては憧れの的.夏.ひと夏で「こっこ」は何を思い,何を悟る.言葉にならな…

西加奈子『炎上する君』

西加奈子さんの短篇集. 椎名林檎さんと西さんとの対談(NHK『Switch』)で,林檎さんが読んで号泣したという短編「空を待つ」.それが収録されているということで『炎上する君』を選択.当たりでしたね.今度どうしようもなく落ち込んだときに,この短篇集…

西加奈子『通天閣』

さえないおっさんとさえない若い女,それぞれの物語.彼らの目線で見る大阪の風景は,人間は,やはりどこかさえなくて,そしてシニカルだ.そんなおっさんと女の日常が,交互に語られていく.彼らは少しづつ変化してゆくし,でも,やっぱり相変わらずだ. こ…