スーザン・フォワード『毒になる親』

両親や兄弟の影響は性格に大きな影響を与えるものだと,自分を客観的に分析しても,また他人を観察していても感じる.特に,両親との関係は小さな子供にとって絶対的なものである.そんな親が,罵りなどの言葉や性的なものを含む暴力で子供の支配したり,アルコールやドラッグの中毒症であったりすれば,子供にも悪い影響を与えるのは当然のことだろう.そのような家庭内の「秘密」を口に出せず,感情を胸の内に閉じ込めた子供は,成人になって独立した後もその「支配」や「秘密」に束縛され続けている.「親との関係が上手くいっていない人は,友人や恋人との関係も上手くいかない.」というのは,周りの人を観察していると(サンプル数は少ないが)当たっている気がする.

本書『毒になる親』では,そのような親から解放されるために,まず前半部で「毒になる親」の例を多数紹介している.「家族」というのは,生まれてからずっと内側にいるコミュニティで,客観的にみるのがなかなか難しい.だからこそ,このように「こんな親は,あなたに害を与えていますよ.オカシイですよ」と示すことで,支配下におかれ続けてきた子供はようやく自信を持って「うちの親は間違っている」と言えるのだろう.

後半部では,親から解放されるため,段階ごとにどうすれば良いか示している.本当に苦しんできた人は,1人で読むのは辛いかもしれない.無理をせずセラピストや信頼できる人などとゆっくり確実に進めばいいのではないかと思う.

 

毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社プラスアルファ文庫)

毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社プラスアルファ文庫)

 

 

毒になる親

毒になる親

 

 

自分の両親は,本書に出てくるような「毒になる親」ではないが,多少過保護なところがあった.大学入学と同時に一人暮らしをしてやっと解放されたし,その際に今まで嫌だと思っていたことは伝えたので,今は親にコントロールされている感覚はない.しかし,それでも自分の性格は,良い部分も悪い部分も両親の影響を受けている.そのような影響を客観的に分析したくて読んだ本書は,的確だったと言える.

多少過保護な親でも子供に多大な影響を与えるのだから,「毒になる親」はそれ以上なのだろう.苦しんできた子供が,この本を読んで親から解放され「大人」として独立できることを願う.

 

【目次】

第一部「毒になる親」とはどんな親か

 第一章「神様」のような親

 第二章 義務を果たさない親

 第三章 コントロールばかりする親

 第四章 アルコール中毒の親

 第五章 残酷な言葉で傷つける親

 第六章 暴力を振るう親

 第七章 性的な行為をする親

 第八章 「毒になる親」はなぜこのような行動をするのか

第二部 「毒になる親」から人生を取り戻す道

 第九章 「毒になる親」を許す必要はない

 第十章 「考え」と「感情」と「行動」のつながり

 第十一章 自分は何者か―本当の自分になる

 第十二章 「怒り」と「悲しみ」

 第十三章 独立への道

 第十四章 「毒になる親」にならないために