マーカス・デュ・ソートイ『素数の音楽』

1, 2, 3, 5, 7, 11,...と無限に続く素数プッチ神父が心を落ち着けるために数え上げる素数.某大学が盛り上がる素数.読む前は,せいぜいこのくらいの知識しかなく,いったい600ページで何を語るのか,と侮っていました.すいません.(サイモン・シンの『暗号解読』を読んでいたから,現代のネットショッピングに欠かせない数だってのは知ってましたよ,一応.)

素数の歴史,素数の現れるパターンの歴史,そしてリーマン予想の証明を巡る歴史を綴った一冊.感想を上手くまとめるのは難しいが,それこそサイモン・シンの『暗号解読』や『フェルマーの最終定理』に匹敵する知的好奇心を刺激する一冊になるだろう.実際,暗号技術やフェルマーの最終定理四色問題などもこの本の中で登場する.

読んだ後だと,「リーマン予想」以前,以後とでは世界が別物に見えてくる.たくさんの,個性溢れる数学者が登場し,この予想に挑戦する.敗れながらも爪あとを残していく.ときには異国の,バックグラウンドの異なる数学者によって新しい見方が持ち込まれる.そして,素数が数論の分野だけでなく暗号技術にまさしく「鍵」になったり,リーマン予想との関連から量子物理学を巻き込んだりと,現実世界を巻き込む大きな問題になっていく.抽象的なものが,数学の枠を越えて一気に具体的なものに.

しかし,リーマン予想はまだ証明されていないのである.この予想が証明されれば終わりではなく,どちらかと言えば始まりなのだろう.それが自分の生活に影響を及ぼすのかはわからないが,生きているうちに証明されたらいいなぁと思った.

 

素数の音楽 (新潮文庫)

素数の音楽 (新潮文庫)

 

 こちらもオススメ.

 

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

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暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

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暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

 

 

読んでいて気になったのが,四色問題のくだり.「それが解けたからって何なんだ!?」って感じだった.まぁ,新潮文庫のScience & History シリーズってことで,こちらも読んでみたい. 

四色問題 (新潮文庫)

四色問題 (新潮文庫)

 

 

あとは,この人も登場するんだよね.出てきたときにニヤニヤしてしまった.積んでるから読もう.

文庫 放浪の天才数学者エルデシュ (草思社文庫)

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