ピーター・J・ベントリー『家庭の科学』

 とあるサラリーマンの1日のとんでもなく不運な出来事の連続を,科学的に解説してみようという本.寝坊から始まり,電子レンジで水が爆発,車がスリップ,ハチに刺される,ハードディスクの故障,ワインをカーペットにこぼすなど... 実に38の不運に見舞われるのである!そして,そのひとつひとつに科学的な解説が10ページ程度加えられる.例えば,水の突沸は,不純物の入らない液体を表面の滑らかな容器に入れ,電子レンジのような対流の起こらない加熱をすると起こる.いろんな出来事の原因をブラックボックスだと諦めてしまえば,同じアクシデントに遭遇し気分を害するかもしれないが,科学的に理解していれば再発は防げるし,また機嫌を損ねずに済むだろう.高校の物理・化学・生物レベルなのでご安心を.

家庭の科学 (新潮文庫)

家庭の科学 (新潮文庫)

 

 

一応理系出身なので,大部分は復習として整理しながら読んだけど,以下はこの本で新しく知ったこと.

鳥の糞や車の空転の章は,どちらも専門外だったので知ることが多かった.また,鼻が伸びていくの感じる「ピノキオ錯覚」や雫形の頭は堅いが尾を壊すと破壊が頭まで進展する「ルパート王子の涙」なども初耳.「ルパート王子の涙」の実験はこちらの動画を参照.


Mystery of Prince Rupert's Drop at 130,000 fps ...

雷の原因となる雲の中での電荷分離は,12の仮説があるがまだ十分に説明できていないらしい.CDは印刷部分の方が,透明の樹脂層よりデリケートらしい.虫歯の仕組みも知りたいと思いながら放置していて,この機会に勉強できて良かった.