百島祐貴『ペニシリンはクシャミが生んだ大発見 医学おもしろ物語25話』

道具の歴史をたどった本にハズレはないと思っていて,これもまたその1冊.聴診器や血圧測定,カテーテル手術,消毒,注射器,ペースメーカーなどの医療機器・治療方法が発明されるまでの歴史が,それぞれ10ページ程度でまとまっている.

今ではどの家庭にもある体温計.体温測定は風邪や体調不良の兆候を知る基本的な道具だけれど,意外にも医療行為として始められたのは19世紀の中頃だったりする.医者のトレードマークでもある聴診器が発明されたのも19世紀になってからで,それまでは患者に直接耳を当てていた.こんな感じで簡単な道具でさえも最近の発明などだとわかる.

人間にカテーテルを挿入するために自らの人体を実験台にしたり,ワクチンの実験に自分の子供を使ったり,菌の存在を証明するために病原菌の入った液を飲んだりなど,の痛々しいエピソードもある.また,「発明者」やノーベル賞を巡っての争いも多々あって,そういう人間臭さもまた面白い(他人事だし).

ペニシリンはクシャミが生んだ大発見―医学おもしろ物語25話 (平凡社新書)

ペニシリンはクシャミが生んだ大発見―医学おもしろ物語25話 (平凡社新書)

 

【目次】 

第1部 診断編

1 何でも測らないと気がすまない男ー体温測定

2 秘めた恋を脈で診断ー脈拍測定

3 初めて測ったのは牧師ー血圧測定

4 電話ごっこを見てひらめいたー聴診器

5 若旦那の趣味が昂じてー顕微鏡

6 細菌学の巨人の大失策ーツベルクリン反応

7 人類初体験の透視する見えない光ーエックス線(X線)

8 見えない色を求めた仁医ー色覚検査

9 深夜の極秘人体実験ー心臓カテーテル検査

10 二重らせんのダーク・レディーDNA

12 大道芸がヒントー胃カメラ(胃内視鏡)

12 ビートルズが支えた最新技術ーCT

13 ノーベル賞をめぐる大波乱ーMRI

第2部 治療編

14 毒殺事件を呼ぶ先端治療ー輸血

15 農婦に教わった予防法ー種痘(ワクチンの誕生)

16 狂気を呼んだ四人の争いー全身麻酔

17 失われた処方を求めてー麻酔薬・通仙散

18 物理学を超えた町工場のオヤジさんー注射器

19 次々に産婦が死んでいく謎の病棟ー消毒法

20 風邪ひきイタチに助けられーインフルエンザ・ワクチン

21 クシャミが生んだ大発見ーペニシリン(抗生物質)

22 亡き患者への想いを胸にー人工心肺

23 靴墨の缶で作った命の機械ー心臓ペースメーカー

24 一万回のセックスを観察ーセックス・カウンセリング

25 病原菌を飲んで自説を証明ー胃潰瘍の治療(ピロリ菌の発見)

 

 

さて,次はマンガで医学全般の歴史を知ろうかなー

まんが医学の歴史

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