吉上亮『PSYCHO-PASS GENESIS 2』

システムの弱点を利用した大規模な犯行,その背景にある主犯の思想や理想を探り,犯人を法の裁きの元へ引きずり出す.これこそアニメ1期,2期,劇場版と続いてきた『PSYCHO-PASS』の醍醐味であり,それはこの小説にも受け継がれている.

PSYCHO-PASS GENESIS 2 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS GENESIS 2 (ハヤカワ文庫JA)

 

主人公は,潜在犯堕ちしてしまった征陸智己.その経緯は1巻を読んでもらうとして,2巻では,旧い時代の刑事である征陸が,新しい社会をどうやって受け入れていくか,受け入れざるを得なかったか,を描いている.敵は元上司.大量の執行官殺しをやってのけた彼を,征陸が追う. 

時代背景として,1巻ではシビュラを運用する厚生省と他の省庁による覇権争いが書かれていて面白かったが,本作ではそこに新しい軸を加える(というか1巻でも考えてはいたけれど,征陸視点ということもあって,あえてフォーカスを当てなかったのか).そして更に,シビュラシステムが導入されたことによる人間の変化がカギとなっていて,興味深い.

ちなみに,1巻のレビューはこちら.

cheeky-supreme.hateblo.jp

 

征陸さんと息子との関係や義手になった経緯などは,アニメ1期を見ていた人であれば知りたいところだろう(むしろ本編ではほとんどまったく触れなかったのは,アニメとして逆に珍しいのでは?).そして,あの人も…(征陸さんも良いところまで,行ってんじゃん!).

 

さて,3巻は一体誰がどうなるんだ!? このシリーズ,楽しみだなぁ.