王城夕紀『青の数学』

ネット上に設けられた「E2」という空間で,互いにハンドルネームしか知らない高校生たちは数学の問題を解いて競い合う.その過程で,彼らは「なぜ数学をするのか」「なぜ決闘をせねばならないのか」と自問し,疑問をぶつけ合う.数学をバトルものとして魅せる題材の面白さとテンポの良いストーリーで,一気に読めてしまう王道の青春小説である.

バーチャルな空間での数学バトル(出題形式や闘い方も様々),顔も知らない相手からのメッセージ,絶対的な存在として君臨する天才と謎の数列,個性的なキャラクタなど,魅力的な要素が詰まっている.これを小説で描いたことがスゴいんだけど,そのうちきっとアニメか実写で映像化されるだろう.

 

青の数学 (新潮文庫nex)

青の数学 (新潮文庫nex)

 

(書評で紹介されている表紙を見て,漫画で5巻まで出ているのかと勘違いし(小説の書評は読書前に読まないので),本屋の漫画コーナーを彷徨いました)

 

出題された問題を解くという行為が果たして「数学」なのか,と読んでいてずっと疑問だったが,それについては主人公たちの周りの大人たちが代弁しているとおり,作者はわかった上で書いている.このシリーズがどこまで続くかわからないけれど(次作で完結?),「競技」としての数学ではなく,彼らが大学で「学問」として数学をするところまで見れたらいいなぁと思うが,きっと小説としての華々しさがなくなるから難しいだろう,とも思う.まぁ,そういう数学者の生き様は『フェルマーの最終定理』や『完全なる証明』などのノンフィクションに描かれているんだけれど.

 

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

 

 

完全なる証明―100万ドルを拒否した天才数学者 (文春文庫)

完全なる証明―100万ドルを拒否した天才数学者 (文春文庫)

 

 

とりあえず,『青の数学 2』へ続く.

青の数学2: ユークリッド・エクスプローラー (新潮文庫nex)

青の数学2: ユークリッド・エクスプローラー (新潮文庫nex)

 

 

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